―「こんな自分はもう嫌。自分を変えたいです」―。
カウンセリングや相談において、多くの方がそう仰います。
かつての私も自分の性格を変えたい一人でしたが、
面倒なことに少々ひねくれておりました
実は「変えたい」と思っているのに、
そう思うこと自体がとっても惨めなことのような気がして、
変えたい気持ちをひた隠しにしていたのです
その裏には、
癒されないまま放置された深い傷つき体験が、
山のようにあるのだと知ったのは、
つい数年前のことです
・・・冒頭のお話に戻りますが、
「ご自身を変えること」について、
必要以上こだわらなくてもいいんじゃないかなあ
そう私は感じています。
一般的に、
「他人を変えることはできないから自分自身を変えればよい」といわれます。
あれこれ働きかけてみても、
他人さまの意志を操作することは殆ど不可能
意のままにならないことは
心理的な負担にもなります。
けれども自分のことならば、
他人さまのそれと比べたら、遥かに操作はし易いもの
内容にもよりますが、
自分自身の意識によっては
何らかの変化をもたらすことはできそうです。
強い意思を持てば継続や習慣化も可能でしょう。
けれども私は、
本当の意味で「自分を変える」ことは、
とっても難しいことなんじゃないかなと思います
考え方には根本の「核」となるものがきっとあるはずです。
それは、
その方の育った家庭環境
時代や地域性の他、
経済、文化、教育、友人関係などなど
様々なものが複雑に絡み合い、
深く大きく影響していて、
そうした「刷り込み」の上に
その方の考え方は成り立っている。
簡単に変わるはずなどないと思うのです。
ある方は、
与えられた環境が
ご自分にとって少しでも快適なものとなるように、
その「術」にたどり着き、
頑なに信じて精一杯「磨き」続けてこられた。
それは良いとか悪いとかジャッジするものではなく、
ご自身が「生き延びるため」に
何十年という時間をかけてスキルアップしてこられたものなのです。
その結果、
誰に何と言われようと
決して動かすことのできない
核となる「信念」が出来上がった
でしたら、、、
そのままでいいではないですか
貴方は、基本的に、
そのままでいいと思うのです
その「信念」は、
大切なかけがえのない貴方の魅力の一部を形成するものでもあるはず。
貴方を助け、
どなたかを魅了し癒し慈しまれ、
あるいは信頼される要素の一つにもなっているのだと思うのです。
大切なことは、
今貴方が、その信念によって、
何らかの不便を感じているのか否かということ
かつてのあの時代には、
それによって助かっていたのかも知れません。
けれども、もし今、
それが原因で気持ちに波が立ってしまったり
大切な人を傷つけることになったりして
何らかの支障を来しているとお感じになっているのなら、
それはきっと思い違いではない。
繊細な貴方のその感覚は、
信用していいと思うのです
その上で、
どうすればいいのかなとちょっとだけ、
お考えになってみるのはどうでしょう。
繰り返しますが、
ベースは今のままでいい
ただ、ほんのひと手間、
工夫をしてみれば良いのだと思うのです。
「変える」ことは
これまでのあり方を否定することになりかねない。
そして否定されることは、
他者からであっても自分自身に対してであっても、
非常に受け入れ難いこと
場合によっては、
ご自身を守るために、
強固な壁をもって徹底的に拒絶してかかるでしょう。
けれども、
これまでのあり方を認めた上で、
ほんのちょっとだけ、
「プラスアルファする」ということならば、
受け入れるハードルはぐぐっと下がると思うのです
そして、
新たなスキルを身につけられた生き方は
きっと、貴方をより魅力的に見せてくれるんじゃないかなあ
そう私は思うのです。